平成20年(ワ)1611号 国家賠償等請求事件

原 告  

被 告  名古屋市 代表者 松原武久

     岡田 大

     各務 憲一

     堀出 篤

     西村 富美雄

     森 さゆ里

被告ら6名訴訟代理人 弁護士 林 肇

準 備 書 面

平成20年5月7日

名古屋地方裁判所民事第一部ロ係 御中

1.  請求の原因について

最初に、甲一号証の一にも記載されているが、被告森さゆ里は本年2月下旬ころより、服装の乱れをいちいち指摘するようになる。(襟が曲がっている。職員室で上着を着るな。など)

朝のミーティングに、仕事のために少し遅れてもえらそうに「時間を守らないといかんでしょ」といった。(一度だけではなく、そのたびごとに)

3月上旬ころ、保健室の先生がいないときに、子供に体温を測っていいか聞かれ、よくわからないので、当該人物に聞いたところ、「先生がくるまで待つように」と伝えた端から、子供に対して了解を与え、面子をつぶされた。

3月末ころ、短時間授業もしくは終業式だったために、通常と違う時間にミーティングがあったのであるが、それを忘れて仕事をしていて、職員室に戻ったところ、仕事をしていなかったかのごとく「何をしてたの?」といった。

この時期ごろに、お茶を飲むにあたり「座って飲むように」といわれた。職員室にいるほかの人には誰にもこんなことを言わず、言った本人もたって飲んでいるにもかかわらず、このような理不尽なことをいった。

当該人物に頼まれて、樹脂製のかごに穴を開けてあげたにもかかわらず、できて当然というようないやみなことを言った。(先にも書いたとおり、当該人物は工具類を扱うことは一切しない)

職員室の換気扇を、取り外し掃除したところ、「学校中の換気扇全部をやって、暇なときには手伝うから」といったので、手伝うときにやろうと思っていたところ「私は忙しいから」といって手伝うことなく、加えて「今の時期にやらないと新学期に間に合わないから」といい、ほとんどすべての換気扇を一人で取り外し、掃除することを強要された。その際に、不本意な確認の返事までさせられた。

職員室の洗面台で、仕事の後に手を洗っていたところ、洗面台の掃除を強要した。

529日お昼に午後のボランティアの公園清掃の準備を手伝っており、職員室に戻ったところ、例年行事であり、予定として書かれており、この時間に何をするかわかっているはずであるが、「前もって、断っていかなかったのか?」といった。

9月7日 先の怠業行為の具体例であるが、特別な技術の必要のない草むしりの仕事を後回しにしておいたところ、(当該人物がやるであろうことを想定して)校務主任の先生が子供たちとともに草むしりをしていたが、草むしりをしていることを知っていながら、手伝いもせず、職員室にいた。

9月10日普段使っていない給茶機(そして当該人物は、「特別なとき以外は使わない」といっていた)の上に私物であるかばんを置いたところ、特別なときでもないのに給茶機を使い出し、かばんをどかした。さらに912日には、かばんをどかし、紙に「私物は机の下などに置くように」というような文言を書いてあった。

911日 倉庫の整理、換気作業をしており、戸をあけておき、部材をとりに行っている間に、こうしたことを知っていながら、扉を閉めた。

上記は例としてあげたものであり、執拗な嫌がらせがつづき、私は、心身を故障したものである。こうした嫌がらせは、先に仕事をしていた職務上の立場を利用して行われたパワーハラスメントであり、不法行為である。

次に、被告 堀出 篤、西村 富美雄は、それぞれ校長、教頭という現場における最高責任者としての役職につきながら、上記の状況を認識していながら、なんら有効な手段を講じなかった。これは、監督責任を果たしておらず、間接的に上記のパワーハラスメントに助力したといえる。くわえて、時に対立をあおるような言動もしており、管理監督責任において原告に対して不法行為を行ったといえる。

給食調理員を用務員に配属し、怠惰な公務員になる土壌を作ったことが事の発端であり、この行為が第一に不法行為であると考える。その直接の責任は、被告 各務憲一である。各務憲一は教育委員会総務課長という役職にあり、実質的に人事をつかさどっていたと思われる。

 つぎに、この人事に関する総責任は当時教育長であった岡田大にある。したがって、各務憲一はかかる人事の直接の指図者として、岡田大は監督責任としての不法行為を行ったといえる。

 さらに、上記の行為に対する内部告発を行ったのであるが、この書面の取り扱いについても俗に言う「もみ消し」が行われており、宛名人にさえ届かず、内容も知らないと思われる。

 こうした行為は、刑法にも抵触する不法行為であり、かかる責任は、名古屋市、および、当時の教育長岡田大の管理監督責任とともにもみ消し行為を行った総務課長各務憲一が責めを負うべき行為である。

2.  被告らが連帯して損害賠償を負う根拠について

  上記の不法行為は、直接的には被告森さゆ里が行ったものであり、その管理監督責任として他の被告が賠償を負う責任があると考える。

 つぎに、かかる行為に伴う内部告発の文書の処理に関しても不法行為がなされており、これに関しても、監督責任として名古屋市、教育長、総務課長は主要な責任があり、その損害賠償を負うものと考える。

 加えて、国家賠償法第一条において「他人に損害を加えたとき」と記載されており、原告が被害をこうむったとき、教育委員会に雇われていたという状況から「他人」に当たるのかどうかはっきり判断できなかったため、名古屋市のみならず、当事者すべてを被告にしたものである。

 加えて、国家賠償法が、損害を与えられたものの保障の担保として当該地方公共団体に請求できるものとしたものであると考えられる。しかし、公務員個人を訴訟対象からはずすことにより、公務員が意図的に不法行為および憲法違反行為を恒常的にをいっている。

仮に訴訟を起こされたとしても、国家賠償法により、訴訟の前面にたつということがないため、責任感が希薄になり、その結果現状の腐敗に満ちた役所が醸成されてきたのである。

  さらに、不良公務員が不法行為を行い、その賠償をその所属する地方公共団体が賠償を行うことにより、不良公務員のした行為に対し、所属する住民が住民に対して賠償するという矛盾した結果にもなる。不良公務員が増えるだけ増えて、なんらの制裁がされるわけでもない。

 上記の理由により、国家賠償法は憲法15条の2項違反であると考える。

3.  慰謝料、および損害賠償として300万円の請求の内訳、算出方法について

本件にかかわる治療費として現在までに186730円支出しており、元通りの回復までにさらに5倍の金額がかかると考える。したがって、治療費として933650円ということになる。

 さらに、本来通常の労働環境であれば、本来の契約および、契約更新がされたであろうから、その賃金を逸失利益とし、概算で360万円となる。

 加えて、慰謝料であるが、彼らの社会的地位、および当該事件における不法行為、人権侵害、憲法違反の行為を考えるとパワーハラスメントにかかる部分につき300万円、各務、岡田が行った人事、および回答にかかる部分に関して200万円が慰謝料として相当である。。

 したがって、本来の請求額は953万4510円である。

 しかし、原告の経済状況から、裁判費用を捻出するに当たり、かかる部分における300万円分が精一杯のため、300万円が請求金額となったしだいである。そして、請求金額が、それぞれにかかる部分に足らないため、すべての部分について連帯して賠償すべきである。

1.  被告側から出された答弁書に関して

  原告は本人訴訟であり、裁判事務は本職ではなく、十分読むこともできていないため、当該答弁書に対しては次回の弁論期日までに準備書面を用意する。